2013/09/14

Taxi Driver


待ち合わせ時間ギリギリ

少し慌ててタクシーに乗り込んだ




「お客さん、飴玉いかがですか?」

あ、ぜひ。

「抹茶味だから口に合うかわからないけど。。」

パクッ

ありがとうございます、美味しいです。

「まだまだ暑いねぇ、冷房強くするかい?」

このままで。

運転手さん、なんだかいい声ですね。

「そうかい? いや若い頃は役者をやっててね、

今でもたまに結婚式の司会業なんかもしてるんだけど。。」

どうりで。

「鳴かず飛ばずで結局こんな仕事してるんだけどね。

気楽なもんですよ、独り身だし。。

いやここだけの話だけどさ、

当時別の劇団にいた女優さんと恋に落ちてね、

そりゃもう美人で、でもちょうどそのすぐ後に、

その娘が映画デビューすることになって、

いやその映画が大ヒットしてさぁ、随分有名になっちゃって、

それでほら、彼氏がいちゃまずいってんで、、

まぁそんなもんですよ。」

そんなことが、あったんですねぇ。。

「結局はその程度の男だったてことでね、

東京オリンピックの年には引退だし、

しかしあれだね、想い出には勝てないもんだねぇ。」




・・・




ここで目的地に到着

ちなみに待ち合わせはセーフ




タクシーってさ 別にいい接客をしたからって

その人が次にまた乗ってくれるわけじゃないけど

だからこそリアルっていうか 人柄がダイレクトにでて 

なんだか味わい深いよね





あの運転手さんのストーリーに

素敵な続きがありますように。。